自慢の卵をたくさん使用!小川養鶏場直営、風見鶏の絶品スイーツ
山陰道の名和インターチェンジを降り、「道の駅 大山恵みの里」を過ぎてすぐのところにある「たまご屋工房 風見鶏」。
こちら「たまご屋工房」と頭に付けているように、
卵に一番の特徴があります。営むのは大山町にある小川養鶏場。
一体どんなこだわりで卵、そしてスイーツを作っているのでしょうか?
風見鶏にお邪魔して色々と聞いてきました。
始まりは獣医のお父さんの境港への往診。
木を基調とした温かみのある店内で出迎えてくれたのは、専務の小川洋輔さんと代表取締役の小川暁洋さん。お二人は兄弟で小川養鶏場と直営店の風見鶏を切り盛りしています。
「こちらの風見鶏を担当しているのは専務で、私は主に養鶏場の方を見ています」と話す暁洋さん。始めに小川養鶏場の歴史について聞いてみました。
自然豊かな大山町加茂に小川養鶏場が生まれたのは昭和35年のこと。お二人のお父様が始められました。「父は元々、岐阜で獣医をしていました。当時、境港の養鶏所に呼ばれて何度か往診をしたそうなのですが、その養鶏所の娘と父が結婚して私たちが生まれ、大山町に養鶏場を作りました。だから、一応私は3代目になりますね」。そう暁洋さんは話してくれました。
幼い小川兄弟の周りにはいつも鶏や雛たちがいたそうです。
「養鶏場はもう遊び場のようなものでした。ヒヨコ達を両手に乗せて輪の中に入れたりしていました。本人達は遊んでいるつもりでいましたが、今思えば移動などのお手伝いだったりしましたね」。そう言って洋輔さんは笑います。
こだわっているのは鶏にストレスを与えないこと。
「お客様のためになっているのかを常に考えなさい」が口癖だったお父様から養鶏場を継いだ小川兄弟。お二人の話を聞いていると「お客様」のためだけではなく、「鶏」のためになっているのかも常に考えていることがわかりました。その理由の一つが飼料です。
「防虫・防カビ処理をしていないトウモロコシ(NON-GMOコーン)を中心に魚粉や牡蠣殻、飼料米などを独自に配合しています。魚粉には境港のイワシを使っていますが65%という高い濃度にしています。魚粉は卵にコクを与えてくれるんです。また、牡蠣殻は広島産、飼料米は鳥取県の南部町産という具合にできるだけ地元のものを与えています」
同時にこだわっているのは「鶏にできるだけストレスを与えないこと」と暁洋さんは語ります。鶏をある程度育ってから育てるのではなく、生後すぐから育てるのも小川養鶏場流。
洋輔さんは例え話を用いながら説明してくれました。「極端な話、沖縄で生まれ育った鶏を急に北海道に連れて行ったら環境の変化で弱ってしまいますよね。そうならないよう、生後2~3日からうちで面倒を見ます。こちらの気候風土に雛の頃から慣れさせることで、病気にも強くなると思います」
さらに、太陽光や風といった自然や四季が感じられる開放鶏舎を採用。それによって管理の手間は増えますが、「人間だって窓のない部屋でずっと生活するのは嫌ですよね。鶏も同じだと思います」と洋輔さんはまたも例え話で説明してくれました。
お菓子ではなくて、卵が形を変えたもの。
そんな愛情たっぷりに育てられた卵や卵をたっぷり使ったスイーツが味わえるのが風見鶏です。
こちらのイチオシ商品は何と言ってもシュークリーム(185円)。濃厚かつ新鮮なカスタードクリームとザクっとした生地のコントラストがたまりません。
そして、何よりも大きい!ソフトボールの大きさくらいはあるでしょうか。この大きさの理由を洋輔さんに聞いてみると、「とにかく卵をたくさん食べてもらいたい!という一心で大きくなってしまいました。実は私、この店のスイーツをお菓子だと思っていないんです。全部卵が形を変えたものだと捉えています。ですので当然、卵を使っていないスイーツはありません」
お昼の人気メニュー「たまごかけご飯(200円)」の卵がなんと食べ放題なのも同じ理由なのでしょう。
次に人気なのがプリン(200円)。見慣れた黄色いプリンと白い米たまごプリンの2種類があります。卵の味を前面に出すためにバニラビーンズなどを使用せず、卵、砂糖、牛乳だけのシンプルな味わいに仕上げています。素朴な味わいとなめらかな食感が楽しめる一品です。
その他、エッグタルトやカステラなど卵の美味しさがダイレクトに感じられるスイーツや季節限定アイテムが並びます。
地元の人のため真面目に努力し続けるという覚悟。
こんなに美味しいスイーツ、ネット販売でも入手できるのかと思いきや…
「そういったお声がけはたくさんいただくのですが、地元をおろそかにして県外に出すことを望んではいません。それに、送料などでどうしても高くなってしまいますからね。私たちはお求めやすい価格にもこだわりたいと思っています」と暁洋さん。
実際、出荷先は基本的に県内のみ。「地元の人に喜んでもらうのが私たちの仕事です」と二人は口を揃えていました。
最後に目標を聞いてみると、暁洋さんが「地味な答えで申し訳ありませんが」と断りを入れたうえでこう話してくれました。「地道に真面目に努力して、いい品質を守り続ける。これに尽きます。寒いからカーテンを閉めてあげようとか、季節が変わったから飼料の内容を調整しようとか、やることって本当に地味なんです。生き物の気持ちになってこれからもしっかり管理していきたいと思います」
真摯に鶏と向き合い、手間ひまかけて作られた卵とその卵をふんだんに使ったスイーツ、食べてみたいと思いませんか?まだの方はぜひ一度、風見鶏を訪れてみてください!
たまご屋工房 風見鶏
〒689-3212 鳥取県西伯郡大山町名和696-1
TEL0859-54-5055
営業時間 10:00-18:00
定休日 毎週水曜
詳しくは小川養鶏場のHPをご覧ください http://www.sakuratamago.co.jp//
駐車場 有